派遣労働者の立場に立った労働者派遣法の抜本的改正を!!
3月 10th, 20102008年以降の製造業派遣を中心に拡大した「派遣切り」は、たくさんの派遣労働者を失業に陥れ、今なお失業状態から抜け出せない状況をつくりだしている。仕事も、住宅も、将来への希望も失い、労働者の生存権も奪ってしまうという事態が日本各地で起きている。「多様な働き方」という美名の下に、派遣が雇用の調整弁として機能し、労働者がモノのように扱われてきた。このように雇用が破壊されワーキングプアが社会問題になった中で闘われた昨年の衆議院選挙は、派遣法の抜本的改正を掲げた民主党が圧勝した。民主党と連立を組んだ社民党・国民新党も派遣法の抜本的改正を公約に掲げ、労働者派遣の規制強化が進むかと思われた。しかし、どうも雲行きが怪しい…。
これまで、派遣法の欠陥、矛盾が指摘され多くの派遣労働者の犠牲の上に、やっと国会審議の俎上にのぼることとなった。派遣法改正が焦眉の課題となっているなか、さる12月28日、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会から「答申」が出された。しかし、この「答申」は、昨年6月の民主・社民・国民新党による3党合意案や民主党のマニフェストの内容にも程遠く、後退しているといわざるを得ない。しかも驚くべきことに自民党政権当時の改正案がベースになっているのだ。それも派遣先の使用者責任が何ら問われておらず、規制の対象から外れていること、自民党が選りすぐった審議会委員(部会長は、清家篤氏)が、政権交代後もそのまま居残っていることを考えれば骨抜き法案になることぐらい想像できる。
派遣法の最大の問題は、派遣労働者を直接使用する派遣先企業の責任と規制が盛り込まなければ派遣労働者の大量首切りや使い捨て雇用は改善されないということであ。デスクと電話一本あれば派遣業ができる派遣元企業を規制したところで抜本的改正をしたことにはならないしあまりにも不十分である。
まず問題点を具体的に見ていこう。
① 登録型派遣は原則禁止としているが、その一方で例外措置を多く盛り込んでいる。従来の専門26業種や高齢者派遣は対象にしていない。また、「登録型」ではない「常用型」とは何をさすのか、期限の定めのない雇用、正規雇用とはいっていない。しかし、雇用期間や雇用見込みが一年を超えれば常用とみられている。さらに問題は、専門26業種の基準があいまいで「事務用機器操作」や「ファイリング」といったものは一般事務と区別がつかない。一般事務に従事させて期間制限を免れようとする違法派遣が後を絶たないというのが現実である。派遣法制定からすでに25年が経っていることを考えれば、専門26業種の見直しが必要である。派遣の圧倒的多数は、女性労働者が従事しており、女性の低賃金・不安定雇用を固定化することになっている。
② 製造業派遣の原則見直しでは、登録型派遣のみを禁止し、ここでも常用型は例外として認めている。また、激変緩和措置として、交付から3年以内に施行するとしているが、派遣会社側の救済措置ばかりでなく派遣労働者の救済措置も設けるべきではないのか。できる限り速やかに法施行を実現し例外を認めるべきではない。
③ 日雇い派遣の問題についても2ヶ月以内の有期雇用による派遣については禁止としているが、これまたさまざまな例外規定を設けている。日雇い労働こそ直接雇用で処理すべきで、職業紹介で十分である。
④ 均等待遇については、「派遣先の労働者との均衡を考慮」すべきにとどめている。配慮規定を置くだけでは実効性が確保されない。
⑤ 一人当たりの派遣料金の明示、マージン率の情報公開は求めているが、規制は明記されていない。派遣労働者に係る契約料金を明示させマージン率についても上限を定めるべきである。平均マージン率では何の意味もない。
⑥ 違法派遣があった場合、派遣先が派遣労働者に対して、当該派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約を申し込んだものとみなす「直接雇用みなし制度」を設けるとしている。この制度は、この間のさまざまな裁判闘争などが起こっている偽装請負等を意識したもので唯一派遣先の責任を認めたものになっているが派遣先に雇用責任を課すのは当然といえる。
⑦ 派遣先の団体交渉応諾義務等の使用者責任は取り上げられていない。さらに社会保険などの加入についても派遣先の責任を問うことになっていない。
⑧ 事前面接についても派遣先の「実質採用行為」が認められれば、業務に関係のない容姿端麗などという隠れた採用条件がまかり通ることになる。事前面接禁止規定の規制緩和を認めることは出来ない。
こうした改正によって、派遣法の名称と目的が「派遣労働者の保護」を明記するとしている。そもそも派遣法そのものが、労基法6条「中間搾取の禁止」「直接雇用の原則」の例外法となって誕生したことを考えれば、成立したときから構造的な矛盾を含んだ法律であったことを証明したようなものだ。
先日、民主党の衆議院議員で労働委員に属している大西健介議員から派遣法及び雇用対策について国会の動向を聞いた。国会内で派遣法を廻る攻防が大詰めを迎えているという。民主党内では、経営者が派遣法改正の土俵に乗ったことで「小さく産んで大きく育てれば良いのではないか」という意見が多数を占めているという。いつかどこかで聞いたことのある「小さく産んで大きく育てる」としたら、またしても均等法と同じ経過を辿ることになるのか?派遣法の改正の行方が気がかりでならない。毎日のように流れてくる国会内のせめぎあい情報をみて貧困社会になった今、育てている時間など何処にもないだろう!!と言いたい。
(参考資料) 労政審答申(2009.12.28)の概要


(「アピール」を手に、女性議員を議会に増やそうと活動しているグループであることを説明)
22日は、阿久比町の産業まつり。女性たちは、出品者にも、販売者、消費者にも参加していました。なんと大勢の女性がいることよ、と思いつつ、ふと横を見たら町議会の建物がありました。そこに誰も女性がいないのだな、と不思議でした。
橋本議員は、突然の訪問にも関わらず応接間に通してくださいました。飛島村は臨海工業地帯があってそこから何十億という資産税がはいるそうです。さらに三菱重工業があり、ロケットなど最先端の産業があり法人税も多く、村の財政は日本一豊かだそうです。しかし、この村も選挙候補者は、部落の「寄り合い」という話し合いの場で決まるので、女性は出られないことがわかりました。寄り合いに女性が出る場合は、「主人、息子の代理」なのだそうです。まず「寄り合い」に女性が一人の人間として出られるように改革することが先決だ、と思いました。さらに、村役場には労働組合がないというのです。